●

歯周病治療

歯周病と全身疾患との関わりRELATIONSHIP

歯周病は虫歯と違って、自覚症状がほぼありません。
歯周病を羅患したままおいておくと、全身疾患の症状へ発展してしまうことがあります。

歯周病と全身疾患との関わり

誤嚥性肺炎

細菌が唾液や胃液を介して肺へ流れ込み生じます。

骨粗鬆症

発症に共通点があるので、歯槽骨の骨密度から診断をするという研究が進められています。

早産・低体重出産

早産、低体重出産を引き起こす原因になります。

糖尿病

歯周病が血糖値のコントロールに影響を及ぼすことが証明されています。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームに関わりがあるといわれています。

がん

歯周病の人はがんの発生確率が増加することが、研究で証明されています。

「早産・低体重児出産の可能性を下げたい」という、出産前の妊婦さんによくご来院いただいています。
歯周病治療はお年寄りだけ注意が必要なものではなく、口腔内から全身を健康に保つために必要な治療だと考えています。

治療から予防へ

ご来院いただいた患者さまの口腔内を、健康な状態に戻す治療です。
当院の治療は、基本的に検査からはじまります。
そして口腔内に歯周病が見つかった場合、それを治療するために回数がかかる場合があります。
お口の状態を健康な状態に保つために、予防歯科に重点を置いております。
歯周病治療が終わった患者様はそこから、予防歯科へ移っていただくことを強くお勧めしています。

歯周病治療の流れFLOW

初診

レントゲン検査、歯周ポケット検査、各種検査
治療や治療にかかる費用など、ぜひご相談ください。
必要な資料の採取を行います。

歯周病初期

ポケット1〜3mm

歯周病中期

ポケット3〜5mm

歯周病重度

ポケット6mm以上

基本治療

歯磨き指導、虫歯や歯周病になりにくい生活習慣についてのアドバイスを行い、プラークコントロールと言う、患者様自身による口腔内管理によって歯垢(プラーク)を除去することを中心に治療していきます。
また。清掃器具が歯周ポケットに届きやすくするために歯石の除去を行います。
主に歯肉の上の汚れを取り、炎症を鎮めます。

SRP【1〜6回】

スケーリングで除去しきれない歯の根っこの見えない部分の歯石を除去する。
場合により麻酔を使用します。
動揺歯の固定や噛み合わせの調整を行います。
人によって歯石の量や硬さが違うので、一回で終わるかたもいれば数回に分けて治療する方もいらっしゃいます。

ファーストリコール(各種検査)

治療の一ヶ月後に、もう一度診断を行います。
初期治療の成果を判定し、治療計画の見直しを行います。この時、一般診療で賄えない治療が必要になった時や、治療による改善が見られない時歯周外科での治療へ移ります。

歯周外科による治療方針の決定

歯周外科ではしっかりと視野を確保し、悪くなった組織、歯石を徹底的に除去します。
また破壊された骨のトリミングやエムドゲイン塗布により、破壊された骨を再生することが可能です。これは最近注目を浴びている「再生療法」の一つです。
この様に症状によって外科手術での治療を行い、一般診療で賄えない部分を補います。

メンテナンス治療(予防歯科)

3〜4ヶ月おきの診断で患者様の口腔内を健康に保って行けるように予防歯科へ移ります。
年に3回-4回来院していただき、お口の中を健康に保つことが、全身への健康につながることを実感しているからこそ、予防歯科に重点を置かせていただいています。
歯周病は、自覚症状が出にくく、重症化してしまうことが多く見られます。当院では治療が終わっても、予防歯科で定期的な検診をお勧めしています。
重症化してしまった歯周病にも対応できる様に、様々な外科手術での治療も行っています。

歯周外科の当院の考え方IDEA

歯周外科の目的

歯周病治療で追いつかない部分を外科治療することで、短期間で解決することが出来ます。
外科治療を行わない場合、とても時間が掛かることがあります。
また、歯茎が凹んでしまったというような口腔内に起こってしまった違和感に対して、外科治療を行うことで改善できます。
現在患者様の口腔内が悪い状態から治していかなければならないのか、健康な状態からより良い状態にしていくことができるのか、
スタートラインがどの状態であるかによって目的も変わります。
歯周病外科治療では、歯肉を切開し、骨を切除するなどの外科処置を伴います。
こちらは以下の目的のように、残っている骨に対して治療の中で処置できるようにするための外科治療と、
歯肉を再生させたりすることで、審美的に、機能的によりよい口腔内にするための外科治療があります。

  • 歯根面への器具の到達性を良くする
  • 歯周ポケットの減少および除去
  • 歯周組織の再生
  • プラークコントロールを容易にするための歯周組織の形態修正
  • 付着歯肉幅の増大
  • 審美性の改善
  • 歯肉歯槽粘膜の改善
  • 補綴前の歯周環境の改善

歯周外科治療の種類TYPE

組織付着療法

フラップ手術

歯周ポケット内部に付着した細菌、汚染物質を徹底的に取り除くことが目的です。歯周病処置の際に歯肉を切開し、歯周ポケットを明視できる状態することで完全に歯垢を取り除きます。これにより、歯周病治療の効果が得られない時、進行が進みスケーラーでの治療で追いつかない状態を留めることができます。

歯周組織再生療法

GBR法

歯周病の進行によって、欠損してしまった歯槽骨の再生を行う治療です。人工骨で欠損している部分を補い、生体材料でできた人工メンブレン(専用の膜)で覆うことで歯槽骨の再生を促します。

GTR法

GBR法と同じ様に、歯周病の進行によって、欠損してしまった歯槽骨の再生を行う治療です。歯槽骨や歯根膜が不足している部分を、人工膜(メンブレン)で覆います。歯肉などの軟らかい組織の混入を防ぎながら、歯槽骨の再生を待ちます。個人差はありますが、数ヵ月で新しい歯槽骨と歯根膜が再生する様に誘導ができます。

エムドゲインによる骨増生

欠損した歯肉や歯槽骨などの歯周組織を再生させることが目的の外科処置です。「エムドゲイン・ゲル」というタンパク質の一種を歯根の表面に塗ることで、歯が生えてくるときと同じような環境をつくり歯周組織の再生を促します。

歯肉歯槽粘膜形成術

CTG治療 ( 結合組織移植術 )

歯肉が痩せて薄くなっている状態 や、抜歯後の歯槽提の陥没した部分がある場合に、上あごから結合組織のみを採取し、歯肉退縮を起こしている部分の上皮と骨膜との間に結合組織を移植し、歯肉を増やす手術です。

FGG治療 ( 遊離歯肉移植術 )

歯肉組織の位置のずれや欠損を修正することが目的です。上皮組織と結合組織の2層を移植する方法で、CTG 治療よりも審美的にはよくないと言われていますが、比較的簡単な施術で歯肉の治療が可能です。

歯冠長延長術

クラウンレングスニング

埋もれている歯を歯肉縁上に出す治療法です。適合の良い被せ物を作り、細菌感染を起こしにくい環境へ治療することが目的です。歯茎を少し下げて、歯茎の下にある根を露出させると、露出した根に土台を立てることが可能になるので、抜歯しないで被せ物を作ることが出来ます。